2006年3月 2日 (木)

これまでのいきさつ4 ~建築家の建てた家を見に行く~

住宅を専門とする建築家の中にもオープンハウスを開催する人は多い。
情報の入手方法は、工務店同様にHPが主となる。折り込みチラシというのは見たことがない。
めくらめっぽう行くよりも、HPで家づくりについて、その人考え方など熱く語っている人が多いので、まずそのあたりを確認してから行くと良いだろう。

残念ながらこれまで2人の方の見学会しか訪れたことがないので、偉そうなことは書けないが以下はその範囲での感想である。

1人の人は比較的シンプルでローコストな家づくりを心がける人で、現代的でハイセンスという感じ。「家は、ただ住むだけでなく、楽しくなくてはならない」というのが信念だそうだ。私達が見た家は、階段に隣接した吹抜け部分の2Fにショーウインドーのような大きな窓ガラスを使った明るい家で、このあたりに想いが入っているのかなと思った。

もう一人は、金物などを極力排除し、竹小舞に土壁の伝統工法で家づくりをしている建築家さん。最近はたいへん人気でオープンハウスにもたくさんの人が来ていた。この人に設計してもらいたいが、多忙なので手が空くのを待っているという人も来ていた。この人は、梁には長尺のアカマツや徳島杉の葉枯らし材を使用したり、柱材は施主とともに自ら山に選木に行くなど、使う材にも強いこだわりを持っている。

彼の建物には豪華さや派手さはなく質素ではあるが、壁や柱にも素材感があって日本建築の凛とした雰囲気がよく出ている。家ばかりでなくこの人の考え方には、賛同できるところが多くて、かなり長時間いろんな話をさせていただいたのだが、残念ながらコストがかかりすぎる。そのときの会話。

私「平均どのくらいの坪単価でつくってみえるんですか」

建築家「キッチンなど設備費別で75万から80万くらいですかね」

「ひぇ~高いですねえ。確かに素晴らしい家ばかりなんですが、我々サラリーマンの収入からしたら、かなり厳しい額ですよね。もっとコストダウン出来るところはないんですか」


「うちは手刻みなので、大工仕事にかかる割合がかなり高いです。常々日本の大工の賃金は低すぎると思っています。今は一日2万円くらいかなあ。その中で、自分で車を持ち、工具をそろえなければならない。プレカットなんかだと普通は坪当り3.5人工くらいですが、うちは倍かけています。でも大工に払う金をカットしようとは思いませんね。、プレカットの拡大などで大工の腕が落ちているのも事実ですが、日本の木造建築を支えてきた大工の技を絶やしてはいけない。後継者の育成のためにもある程度の収入の保証はされるべきです。家は無駄なスペースや設備を省き、小さくつくることで価格を下げる努力をしています。でもどんなにがんばっても坪70万円以下にはなりませんね。いまさら断熱材の家をつくろうとは思いませんし」

これに建築家に払う費用を考えるとあきらめざるを得なかった。

浅い経験を元にまたまた私なりにメリットデメリットをまとめると、

メリット
「これはオプション。それは出来ません」ということはなく、自由な設計が出来る。
うまがあう建築家に出会うことが出来ればじっくり時間をかけて、良い家が出来ると思う。

デメリット
建築家によってはデザインを重視しすぎるあまり住み難い家になったりする。
こだわりを押しつけてくる建築家がいるかも。
分離発注の場合、万一問題があった場合の責任の所在がはっきりしないおそれがある。
複数工務店からの見積を取ることで、普通に工務店に頼むよりも安くなると言う意見もあるが、建築家に払う金がかかる。

まあ分離発注が心配ならやめればいいし、好みの建築家に出会えれば、他のデメリットは気にならないだろう。

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2006年2月14日 (火)

これまでのいきさつ3 ~工務店の見学会に行く~

中小の工務店の場合、モデルハウスを持っていないところが多い。
そこで、開催されるのが、引き渡し前に中を見学させる完成見学会(オープンハウス)だ。
モデルハウスでいまいち気に入るメーカーを見つけられなかった私達は、こうした見学会まわりを始めた。

見学会の情報は
1 ホームページ
2 新聞の折り込みチラシ
などで手に入れられる。

Yahooでいきなり検索をかけると星の数ほどある工務店が引っかかってくるのでほかの検索同様工夫が必要である。当時私達はOMソーラーが気になっていたので、OMのHPの会員工務店のリンクから近くの工務店の情報を仕入れたし、しばらく入会していた「あいちの木で家を造る会」の事業会員のリンクなども参考にした。
折り込みチラシも侮れない。私達が今プランをつくってもらっている工務店との出会いは折り込みチラシのオープンハウスだからだ。

訪問して「ふーん」で終わって二度と行くことがない工務店もあれば、次の物件を見たくなるところもある。そういうところには繰り返し行き、担当者と親しくなり、HPなどでは知ることが出来ないその工務店の性格などを知ることが出来る。

見学会の家が面白いのは無機質なモデルハウスと違い、実際に人が住む家であるということだ。都市部で家を構える場合、土地の形状や近隣の家の配置、日照、面積といったシビアな制約があるのが普通であり、それに対する建物の配置や間取りの工夫、住む人のこだわりなどが形になっており面白い。例えば窓のない洗面に明かり取りのトップライトがあったり、自転車(ロードレーサー)が玄関にかけられる。薪ストーブがあるなどである。

また、モデルハウスではなかなかお目にかかる機会がない二世帯住宅にも、見学会では比較的出会う機会がある。二世帯住宅の間取りは、玄関やキッチン、風呂の数など、住まい手の考え方や諸事情により様々なスタイルがあるが、より多くの事例に出会うことができるということは、私たちのような二世帯住宅を求める者にとって、またとない勉強の機会である。

もっとも実際に見学に行ってみると、つい設備などに目がいってしまうことが多く、あとから考えるとただ「よかった」とか「安っぽかった」という感想しかなかったりする。最初はそれでも仕方がないが、なぜ良かったか、なぜ安っぽかったかまで踏み込んで考えたり、自分なりに見るべき所、他の工務店と比較すべきポイントを決めて行くと良い。モデルハウスと違い何度も見に行くわけにいかないのだから。

せっかく見学会に行っても、残念なことに人の記憶は曖昧でどんどん忘れていってしまう。特に私達のように多くの家を見ていると、どこがどこの家だったか分からなくなってしまうことがある。私はある時から現地でもらった間取り図などと一緒に、なるべくメモを残すようにして来た。

メモには建物の概要、良いと思ったところ、悪いと思ったところ、使っている建材の種類やそれについての自分の評価、工務店の人から聞いた話等を書いておく。これは今でも結構後から見ることがあって役に立っている。例えば「あの家の床ってよかったよね。樹種は何だったけ?」というとき、メモを見れば「五寸幅のアカマツだよ」という具合だ。メモを見ていると記録されている以外のことを思い出すこともある。

完成見学会のほかに構造見学会などを実施している工務店も多い。
内装材などでで隠れてしまう構造部分を見るまたとないチャンスなので、関心のある工務店が開催する見学会があれば、是非見ておきたい。

ここでまた、建築を工務店に依頼する場合のメリット、デメリットを考えてみたい。

メリット
1比較的経済的に建てられることが多い。
2間取りや建材等に制約が少なく、自由設計のところがほとんど。
3営業と設計を同一人物がやっている場合が多く、施主の意見が反映されやすい。
4地域の気候、風土を生かした家づくりが出来る可能性がある。

デメリット
1経営規模が小さいところが多く、信用やアフターサービスに不安がある。 
2外断熱、免震構造など新しい工種、工法を選択したくても、工務店に経験が無いため選択できなかったり、高くついたり、例え無理にやらせることが出来ても、自らがパイオニアとなることになり、不安が生じる。
3全てが一人の担当者に任せきりになっていることが多く、チェック体制が甘かったり、その結果設計ミスが生じずる可能性がある。

ということで、工務店で建てるには実績や自分の求める機能や、好みにあった家を建ててくれるかどうか判断した上で依頼先を決定することが大切と思う。
これらをクリアし、運良く「ここが建てた家はどこも素晴らしい」と思えるような工務店と出会えたならば、自分の好みの家を建ててもらえる可能性が高いのかなと思う。

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2006年1月17日 (火)

これまでのいきさつ2 ~住宅展示場に行く~

さて、漠然と「家を建てたい」と思ってみたものの、いったい何処に頼めばいい家を建ててくれるのだろう。
「小さな工務店に頼んで手抜き工事されたり、建ててる途中や直後につぶれちゃうといやだしなぁ」

ということで、まず最初に行ってみたのは、週末近くによく新聞広告を出している住宅展示場(ハウジングセンター)である。私達だけでなく、家を建てようと思った人の大部分が最初に訪れるところではないだろうか。

そこには大手のハウスメーカーのモデルハウスが軒を連ねていて、ハウス内に入れば掃除が行き届いたぴかぴかの空間が広がっている。営業の人は歩き回る私達に召使いのようについてまわり、細かく解説してくれる。建物の一角には「自社の製品」の耐震性などの機能がいかに良いかが宣伝してあり「なるほどなあ」と感心する。しかし、どうもしっくりこない。機能的には十分なのだが、「こんな家に住みたい」という感情がわいてこないのだ。

それでもいくつかのモデルハウスを渡り歩くうちに、「心地よいな」と感じるモデルハウスがある展示場もあった。大府市にあるウッドビレッジという木造住宅をテーマにした展示場。ここに建てている会社は大手ハウスメーカーではない。この中には「おっ!なかなかいいねえ~!(でも高そう!)」という家もあった。

こうしてモデルハウスを数見ているうちに、自分がどんな家を好み、どんな家が嫌いなのかがわかるようになってきて家づくりの新たな条件が加わった。

1 木造軸組工法で、原則として国産材を使用している家。

2 内装を真壁(しんかべ:柱を壁で被わず、現わしにした家。古典的な軸組の家に多い←→大壁)づくりとした家

どちらの条件も、「和が好き」という私の日本人の魂が影響しているのだろう。また、私の仕事が影響しているのかもしれない。これらの条件を満たす家は、普通の住宅展示場にはあまりない。

これまで多くのモデルハウスを見てきて、大手メーカーで住宅を建てるメリットとデメリットを私なりに考えてみると、以下の通りである。当然ながら会社や担当者にもより、これらがかならず当てはまるわけでもないことは言うまでもない。

メリット
1 経済的、社会的に大手という信用があり、不具合があったときの対応窓口が24時間開設されているなどの安心感がある。

2 地震や火災などの災害に対する配慮が十分されていることが多く、正しく施工されれば比較的安心な家が出来る。

3 高気密・高断熱や、住宅用免震・制震などの最新技術を比較的低コストで取り入れることが出来る。

4 建材の大量生産、仕入等で、低コストの家づくりが出来る。

5 ユニット化などで一般的に工期が短かいメーカーが多い。

デメリット
1 モデルハウスや、広告、営業マンを多く抱えるなど、営業に膨大な金を使っており、その費用は結果的に施主が負担している(メリットの3,4番目と相殺されるのかもしれぬが・・・)。

2 デザイン、工法、使用する建材、間取り等に制約が多く、希望がかなわなかったり、無理に使おうとすると高めのオプション料金が必要となることがある。

子供の入学などで建てるまでの時間がない人や、家のデザイン、工法等にこだわりのない人、敷地の形状等に制約が少ない人、単世帯で住む人が、発注先を手っ取り早く決めるには大手住宅メーカーの家は最適かもしれない。

私たちの場合は、デメリットの2番目の問題が特に大きく、結果的に大手メーカーに気に入るところはなかったので、住宅展示場に通うのはやめてしまったが、そこで多くの建物を見たことで自分の家づくりが見えてきたことは事実であり、展示場巡りは無駄ではなかったと思う。

モデルハウスを見る上で注意すべきことは、よく言われていることだが、

1 現実離れした贅沢な間取りや部屋のサイズ、数

2 そのメーカーが建てる平均的な家ではなく、オプションだらけの高級住宅であることが多い(モデルハウスが気に入っても、予算の制約で同じレベルの家が建てられない)。

などである。

同じようなモデルハウスが集まる中、他社と差別化を図るのに一生懸命になるのは業者側から見れば当然であるし、自社の商品を良く見せたいのは家に限らずどんな商品でも同じである。

そのあたりを承知した上で見て、せっかく営業の人がいるのだから「これはオプションですか」とか「これは何畳ですか」「同じ家を建てるなら坪単価どのくらいですか」「普段建てられている家の平均的な坪単価はどのくらいですか」などと確認しつつ、自分の条件(予算、土地、家のイメージ)にあてはめて見ていけばよいのかなと思う。

質問に対して明確な回答をせず曖昧に答えるだけのメーカーはこの先もぎりぎりまで都合の良いことしか言わない可能性があるから、さけた方がよいだろう。

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2006年1月 7日 (土)

これまでのいきさつ1 ~家づくりの基本条件~

とりあえずこれまでのいきさつを書いてみよう。
家をつくる上で、最初は次のような漠然とした条件しかなかった。

1 母が独りで住んでいる実家を建て替えること。
2 母と私達夫婦が住む2世帯住宅であること。

1については迷いがあった。実家の土地は約50坪で住宅密集地の中にあり、日照もよくない。出来ることならばもっと環境の良い他の土地に移りたかった。だが土地と家双方を買うには金銭的に無理をする必要があるし、現在の土地はそれなりに良い点もある。たとえば駅まで徒歩15分と交通の便が比較的良く、電車に乗ってしまえば20分足らずで名古屋駅に出られる。

しかしこれらの理由以上にもっとも重要視したのは70歳を過ぎた母のことだった。免許を持たない母は、交友関係や習い事、買い物等生活の全てが実家周辺で完結するという地域に密着した生活を40年近く続けてきたので、今更遠くに引越しさせるわけにはいかないと思ったからである。

2については、私には兄がいるものの、現在横浜市在住であり、当面帰って来る見込みはないので、自分が母の面倒を見なければと思っていたし、ありがたいことに妻もそれに同意してくれていた。

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2005年12月29日 (木)

木の家がほしい

私は現在愛知県名古屋市の北東に隣接する春日井市というところに住んでいる。

木の家を建てたいと考えはじめたのは、結婚した頃だから、もう3年ほど前からということになる。

housebooksこれまでの間、工務店や建築家が主催する見学会や住宅展示場にせっせと足を運び、多くの家を見て、ネットや雑誌などで、工法や構造、設備、法律などいろいろな情報を調べ、時には夢を見、時にはため息をついて、ここへ来て自分が住みたいのはどんな家かがようやくわかってきた気がする。

現在2つの工務店にプランを作成してもらっているところであるが、これまでせっかく勉強してきたことのまとめと、まだ見ぬ自分の家づくりの記録のため、そして同じように家づくりに悩む人に多少なりとも役に立つようにブログを開設することにした。

ある程度家が出来る自信が出来たからブログを立ち上げたわけだが、さて本当に家は建つのだろうか。

このブログにしても、今後ちゃんと続くのかどうか自分でも分からないが、日常の話題などもおりまぜて、ぼちぼちやっていこうと思うので、またお立寄りいただきたい。

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