先回書いた「ハウジング&リフォームあいち2006」で、珪藻土をPRしているところを見た。株式会社丸協という工務店のブースでのことである。自然素材である珪藻土には興味があり、是非マイホームに使用しようと思っていたところだった。
住宅の壁面に見立てた小さなパネルに珪藻土を塗る体験が出来るようになっていたが、妻はそれを見つけるが早いか、すぐに担当さんが持っているコテに手を伸ばし、早く塗らせろと言わんばかりに「いちどやってみたかったんですぅ~」。担当さんも少々圧倒されつつも、基礎の基礎を教えてくれた。
「そんなに興味があるなら来週『かべぬり体験会』を開催するので、是非来ませんか」ということでビラをもらった。どうやらよくあちこちで開催されているサメジマコーポレーションの珪藻土体験会の一環ということらしい。
当日丸協さんの倉庫に集合。先日の担当さんが笑顔で迎えてくれた。今日はこの担当さんが教えてくれるようだ。担当さん改め先生と呼ぼう。集まったのは、お子さんを二人連れた近所の奥さんと私達というアットホームな雰囲気。倉庫内には新しいプラスターボードが張ってあり、その前で簡単なガイダンスを受ける。
「新築の場合はプラスターボードに直接塗ります。そのときプラスターボードの継ぎ目がある場合はクラックが入りやすくなるのでパテで溝を埋め、ファイバーテープを貼り、さらにパテを塗ってから珪藻土を塗ります。リフォームで、現在ビニルクロスが張ってある場合は、先ずタッカーでクロスが浮くことがないよう留め、クロスの汚れが浮き出ないようシーラーを塗り、その上から珪藻土をぬります。今回は新築を想定してプラスターボードに塗ります。」
今回はプラスターボードに継ぎ目が無かったのでパテやファイバーテープは使わない。
しかしいきなり塗り始めるわけではなく、先ずやらなければならないのは養生。養生とは床など汚したくないところをシートやテープで被うことだそうだ。大面積になるとこれが結構面倒とのことである。最初にマスキングテープとビニルシートが一体化したようなマスカーと呼ばれるテープを大まかに貼っていく。
その後、塗りしろ(今回は2mm)を残して、マスカーのテープ部に重ねる感じで巾木にマスキングテープを貼っていく。2mmを一定に保つのはなかなか難しい。焦るとべたべたとテープが指先にくっつく。テープを長く出しすぎず、指先の点で押さえながら張るのがコツだそうだ。
次に材料の調製。バケツに水を一定量注ぎ、その中に珪藻土の粉末を入れる。後から水を入れると材料がバケツの隅にこびりついたりして、ちゃんと混ざらないことがあるからだという。その後バケツの中に巨大なハンドミキサーの先端をつっこみ5分ほど攪拌する。材料はかなり粘度があって、ミキサーをしっかり持っていないと本体が回ってしまいそうである。
カタログ等には「水の分量は正確に」と書いてあるが、見ていると結構いい加減。「すこしゆるいなあ。もうすこしかな」といいつつ、珪藻土を追加してまた攪拌。妻は「ツノが立つくらいの固さでいいんですか?」などと聞いている。ケーキでも作っている気になっているらしい。
材料が出来るといよいよ待ちに待った塗りに入る。コテで少量を取り、壁に塗ろうとするが、最初は要領がつかめずコテから材料が落ちそうになる。しかし徐々に要領が良くなり壁にちゃんとのせることができるように。やる前は、「素人が塗ると厚くなってしまうのかな」などと思っていたが、そうではないらしい「仕上げはあとでやりますから、どんどん載せていってください。塗り方がうすいとジャリッと言います。まだ薄いですね。」
壁の中央部に塗るのは比較的簡単だが、隅の方に塗るのが難しい。特に角の部分はコテの後ろの角をうまく使って塗らなくてはならない。そして仕上げにかかり、荒塗りした珪藻土を極力平らに均そうとするのだが・・・。隣で先生がやるとあっと言う間に美しく仕上がる。飲み屋などでわざとコテの跡をつけた壁を見ることがあるが、そのようなものも自由自在。私の方はなかなかそうはいかない。そして、うまく仕上げたつもりでも、最後にコテを壁から離した部分にムラが出来、きれいにならない。が、所詮自分の家ではないのである程度のところで妥協して完成!
先生曰く、「小さい面積よりも大きな面積の方がうまく塗れます。養生は出来れば前日にやって、朝から塗りに入ると良いでしょう。暗くなってくると焦りますから。季節はいつの時期が良いとは言えませんが、暖かいときの方が乾きが良いです。」
この後会議室に移動して珪藻土についてレクチャーを受ける。珪藻土が持つ調湿性等の効果の説明や珪藻土ならば何でも良いわけではなく、産地や使用する固化材にも注意する必要があることなどを、実験をしながら学んだ。気になる値段の方は珪藻土だけで2100円/m2。これにマスキングテープ等の材料代や器具等レンタル料2000円/3日が必要とのこと。プロに頼むとさらに左官屋さん1人工当り20000円程度がかかるという。
終わってみて「もう少し練習すればセルフビルドも可能かな」と思った。安くあげることが出来るし、何よりも自分の家を自分の手でつくる楽しみがある。しかしさすがに和室の壁を自分で塗るにはかなり勇気がいる。やるとしたらリビングや寝室など、場所を選んでやってみたい。「実際施工する前にもう一度体験会に来るといいですよ。」と先生。どうやらその方が良さそうである。
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